第3回バイオインフォマティックスとIT
更新日:2023年12月1日
全3回にわたる産業医科大学との合同講演会の最終回となる第3回目を11/20㈪に開催いたしました。
本学拠点の情報系若手エースの松岡先生、微生物への愛があふれる柳川先生、細胞現象シュミレーションを楽しく取り組んでいるように見える木原先生にご登壇いただきました。
松岡先生は、AIがテキストで指示をすると絵を描いたりする最近流行のシステムのようなテキストから画像を生成する手法や脳神経回路を模倣した構造を持つ識別モデルを利用して学習したデータを最適化する画像認識について、また多くの正常データを学習させることにより異常を検知するネットワークを構築する研究について紹介。情報の話は難しく感じるのですが、放射線画像の学習による肺がんなどの異常検出や航空写真を利用した異常検出など身近で役立つ技術で、興味を持ちました。
柳川先生は、培養できない微生物をDNA配列からゲノムを構築するために試行錯誤したお話をご紹介。人のゲノム解析には20年前には13年かかっていたが、今は、10日間程度で可能、ほぼすべての微生物は機能未知で99%培養できないが、人間の体には遺伝子より微生物の方が150倍も多いと聞いて衝撃を受けました。どのような微生物がいるかをある特定領域の遺伝子を解析することで調べているそうで、将来、微生物を摂取したら病気が治ったりするようなこともあるのかもしれないと考えさせられる楽しいご講演でした。
木原先生は、細胞が石灰化して骨ができる過程をシミュレーションする研究のお話をご紹介。学生さんと相談していたら、Javaでシュミレーターを作ってくれたそうで、これからはプログラミングを勉強した学生さんも増えるので、研究室も変わるのだろうなと感じました。この手法で、がん細胞が正常細胞を侵食していくのもシミュレーションでき、他の細胞事象にも使えるそうです。Ecellやgoogle colaboratoryについてもご紹介があり、興味を持たれた方がいらっしゃったり、2次元を3次元でシミュレーションできないかなどの意見もあり、木原先生からも楽しかったと感想をいただきました。
産業医科大学上田学長も講演会にご出席いただき、今回お世話していただいた森本先生からも今後も小規模勉強会などを継続したいとのお話もあり、大変有意義な講演会でした。
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